学文館医学生理学研究所

ホーム > 上武大学医学生理学研究所/研究・活動報告

研究・活動報告

2022/8/4

 

「企業との共同研究についてのご報告」  

 

  1. 1.本学研究所は、本年度(令和4年度)から医療系企業・シノテスト社と、ヒト疾患の診断と治療法の開発について共同研究を行うことで合意しました。
  1. 2.協和キリン社は、澁谷正史学長・研究所長と2008年に共同研究により開発したマルチキナーゼ阻害剤(VEGFR1/FLT1, VEGFR2, VEGFR3阻害剤)の薬剤開発を進め、昨年(2021年)に米国FDAから腎臓がん治療の医薬品としての承認を得ました。本薬剤は、商品名チボザニブ(tivozanib) として、米国等でがんの治療に利用されています(知的財産権は全て企業に属します)。文献:Taguchi, E., Nakamura K, Miura T, Shibuya M, Isoe T. Anti-tumor activity and tumor vessel normalization by the vascular endothelial growth factor receptor tyrosine kinase inhibitor KRN951 in a rat peritoneal disseminated tumor model. Cancer Sci. 99, 623-630, 2008.

 

図:がんの血管新生機構と阻害薬.
腎臓がんをはじめ、様々な固形がんは血管新生因子VEGF-Aを分泌し、受容体を介してがんの血管を増加させ、栄養と酸素を得て増殖し悪性化する。VEGFRキナーゼ阻害薬は、その働きを抑制し、がんの増殖や転移を低下させて悪性化を防ぐ。